私は10年以上、日本の商品を中国市場で売り続けてきた現場型の経営者です。
食品、日用品、美容、健康商材、雑貨まで、さまざまな商品に関わり、中国販売、中国輸出、越境EC、中国SNS販促の現場を見続けてきました。
その中で、強く感じていることがあります。
売上が落ちてから動く企業は、もう遅い。
市場の変化は、決算書に出る前に始まっています。売上数字に表れる前に始まっています。会議資料になる前に始まっています。
そして、その変化はいつも 現場から始まります。
目次
市場の変化は、数字より先に現れる
本社で資料を見ている時には、まだ何も起きていないように見える。ニュースにもなっていない。売上も変わっていない。
しかし現場では、すでに空気が変わっています。
• 消費者の会話が変わる
• 問い合わせ内容が変わる
• 検索ワードが変わる
• SNS投稿が変わる
• 販売者の仕入れ行動が変わる
私は、情報を見るのではなく、市場の温度 を見ています。
中国市場調査とは、レポートを読むことだけではありません。現地で何が起き始めているかを感じ取ることです。
そのため、現場にいる人間の方が、メーカー本社より半年から1年早く変化を感じることがあります。
そして時には、たった12時間の差が企業の明暗を分けます。
コロナ前、マスク市場で起きたこと
まだ日本では大きく報道されておらず、店頭在庫も十分にあり、多くの人が危機感を持っていなかった頃です。
しかし私は、中国市場の現場で異変を感じました。
中国側の消費者、販売者、問い合わせ内容、そのすべてが急にマスクへ向き始めていたのです。
これは来る。
そう判断し、私はすぐに 1コンテナ分のマスクを確保しました。
翌日、市場からマスクが消え始めました。
在庫がなくなり、価格が動き、供給不足が始まりました。その後は皆さんが知っている通りです。
もし判断が1日遅れていたら、その仕入れは取れなかったかもしれません。
この判断一つで、大きな供給機会を取ることができました。
私はこの時、あらためて確信しました。
商機は、ニュースになってからでは遅い。
日本国内だけを見ている間に、中国市場では次の需要が始まっている
今、多くの日本企業が国内市場の厳しさを感じています。
人口減少、人手不足、価格競争、原材料高騰。待っていて自然に伸びる時代ではありません。
その一方で、中国市場では、次の需要が次々に生まれています。
• 健康志向商品
• 高品質日用品
• 日本ブランド美容商材
• 機能性食品
• ギフト需要
• 体験型サービス
• SNS映え商品
中国市場進出、中国販路開拓、中国越境ECは、今なお大きな可能性があります。
ただし、遅れて入る企業ほど苦戦します。
なぜなら、市場は常に先へ進んでいるからです。
メーカーが強い時代から、情報が強い時代へ
以前は、良い商品を作る企業が勝つ時代でした。
もちろん今も商品力は重要です。ですが、それだけでは足りません。
どれだけ良い商品でも、タイミングを外せば売れません。
逆に、まだ小さな兆しの段階で動ければ、大きな成果につながります。
私はこう感じています。
メーカーが商品を作る時代から、情報を掴んだ者が勝つ時代へ変わっています。
なぜ私は現場から離れないのか
経営者になると、現場から離れる人も多いです。
ですが、私は今でも現場を見続けています。理由は単純です。
現場に、次の答えがあるからです。
売れる商品も、次の需要も、危機の兆しも、まず現場に出ます。そこから数字になり、ニュースになり、社会現象になります。
順番はいつも同じです。
机上の分析だけでは、半歩遅れます。
これから企業に必要な力
これからの企業競争力は、価格や商品力だけでは決まりません。
• 市場変化をどれだけ早く掴めるか
• 現地情報をどれだけ持っているか
• 決断をどれだけ早くできるか
• 次の一手をどれだけ先に打てるか
この差が、数年後の売上差になります。
現場を持たない企業は、変化に気づくのが遅れます。
その遅れが、あとから取り返せない差になります。
結論
私は物を運ぶ仕事だけをしているわけではありません。
市場の空気を読み、変化を先に感じ、企業の次の一手を考える。
それが、私がこの10年、中国市場の現場で磨いてきた力です。
市場の変化は、会議室ではなく、現場で始まります。
そして、動く企業だけが、その変化を売上に変えられます。
