日本人が安心して使うための基本ガイド
「アリババって中国のサイトだけど、本当に信用できるの?」「中国語がわからないし、騙されないか不安」——そんな印象を持つ日本人は少なくありません。
しかし、アリババは世界的に見ても非常に大きな影響力を持つBtoB(企業間取引)向けのマーケットプレイスで、正しく使えば強力な仕入れ先として機能します。本記事では、日本人がアリババを安心して活用するための知識やコツを詳しくご紹介します。
目次
アリババとは何か?——2つのプラットフォームの違い
まず、「アリババ」という言葉には主に2つの異なるサイトが含まれています。
1. Alibaba.com(英語版)
Alibaba.comは海外向けに展開されているグローバル仕様のアリババです。言語は英語が基本で、ドル建てで価格が表示され、インターフェースも海外バイヤー向けに作られています。
日本人が最初にアクセスしやすいのはこちらです。
このサイトに出店しているサプライヤーは、ある程度の規模や海外対応の経験を持っているケースが多く、英語での簡単なやり取りが可能です。
2. 1688.com(中国国内向け)
一方、1688.comは中国国内の業者同士が使う、ローカル向けのBtoB仕入れサイトです。価格は人民元で表示され、同じ商品でもAlibaba.comよりかなり安く出品されていることが多いです。
その反面、中国語のみの対応で、外国人向けのサポートや保証制度がほぼないため、初心者にとってはややハードルが高いです。
ただし、1688.comを上手く活用すれば、仕入れコストを大きく抑えることが可能です。近年では中国語対応の仕入れ代行サービスを活用する人も増えています。
アリババが「怪しい」と思われる理由とその実態
アリババは「誰でも出店できるプラットフォーム」であるため、玉石混交の状況です。信頼できる大手メーカーから、小規模で経験の浅い業者、あるいは対応がずさんな出品者まで幅広く存在します。
このため、「品質が悪かった」「違うものが届いた」などのトラブルがネット上に出回り、結果的に「アリババ=怪しい」というイメージを持たれてしまうこともあります。
ただし、これはアリババ自体が悪いのではなく、「見極めなく使ってしまった」ことによるトラブルが多いのが実態です。
安心して利用するためのポイント
アリババを安全に活用するためには、以下のような基本的なチェックが重要です。
出店者の情報をよく確認する
• 出店年数が長い(5年以上が一つの目安)
• 「Verified Supplier」などの第三者認証を受けている
• 工場直営(Manufacturer)と記載がある場合は、OEM対応もしやすい
• 購入者からの評価やレビューが安定している
• 実際の製品画像や動画があるかどうかも確認
最初はサンプル注文から始める
実際に大量に仕入れる前に、少量をサンプル注文して確認しましょう。最近では「MOQ(最小発注数)1〜5個」などに対応してくれる業者も増えています。
代金は「Trade Assurance」制度を使う
Alibaba.comでは、アリババが仲介して決済を行い、納品までを保証する制度「Trade Assurance(取引保証)」が用意されています。
これを使えば、商品が届かない、品質が著しく違うなどのトラブル時に返金などの救済を受けられます。
業者がアリババ外での直接送金を求めてきた場合は、信頼性を疑った方がよいでしょう。
よくあるトラブルとその対策
**「商品が届かない」**という問題は、取引保証制度を使えばある程度対応可能です。注文時には、出荷予定日、追跡番号、チャット履歴などの記録をしっかり残すことが重要です。
**「品質が違った」**という問題も、サンプル確認をしていれば未然に防げます。また、「商社」を介している場合、製造元との間で情報がうまく伝わらずトラブルになることも。なるべく工場直営の企業を選びましょう。
**「商品が通関で止まった」**というケースでは、仕入れ商品が食品衛生法やPL法など、日本国内での規制に抵触している可能性があります。たとえば、**コップや食器は「食品接触検査」**が必要な場合があり、輸入代行業者と事前に確認しておくことが肝要です。
中国語ができない日本人はどうすれば?
言語に不安がある場合には、次のような手段があります。
• Alibaba.comで英語でやり取り(簡単な英文でもOK)
• Google翻訳を使いながら1688.comを活用
• 日本語対応の代行業者を利用し、商品検索・交渉・検品・納品までを委託
特に日本向け販売(Amazon FBAなど)を前提とする場合、転送倉庫付きの代行業者を使えば、ラベル貼りや検品もまとめて依頼でき、失敗を最小限に抑えることができます。
まとめ
アリババは「危険なサイト」ではありません。
ただし、玉石混交の中から「信頼できる仕入れ先」を見つけるには、知識と少しの工夫が必要です。
商品情報や出品者の実績、支払い方法をしっかり確認しながら進めていけば、日本にいながらコストを抑えて中国から仕入れることが可能になります。
最初は不安でも、一度流れを掴めば、アリババは日本人にとっても非常に魅力的な仕入れルートとなるでしょう。